・上司に論理的に考えろと言われるけど、どうすればできるのか
・ロジカルシンキングは理解できたが、現場でうまく使いこなせない
・以前に練習したけど、すぐに挫折してしまった
論理的に考える重要性はわかってるものの、ゼロから能力を鍛えるとなると、どのように高めていけばいいか具体的な方法がわかりませんよね。
よく言われるように、「目の前のことに疑問を持つ」「常になぜと考える」などと言われても、いきなりできないし継続できていない人がほとんどだと思います。
私も全くロジカルシンキングができない人間でしたが、大きな挫折をきっかけに一念発起し、一般中堅企業から「論理的思考力はマスト」のコンサル業界に転職までできました。
いわばゼロからコンサルレベルにロジカルシンキングを向上させたので、その独学の方法を共有したいと思います。
まずこの記事では、全く論理的に考えることができない状態から、少しずつ自分の頭で考えられるようになる初期の段階、いわばロジカルシンキングの「初級」レベルになる方法を紹介します。
特段、頭の良さも意志の強さもない私がやり続ける事ができたので、この記事を読めば、だれでもムリなく論理的思考の「始め方」がわかると思います。
初級のゴール
私もそうだったように、この段階は頭を使うことに慣れていない方が多いと思います。
そこで初級のゴールは、まずは頭を使うことに慣れる、習慣化していくことです。
私のおすすめは、クイズ・パズル・将棋など自分が興味を持てて、かつ気軽にできる本やアプリを使ってスタートしていく方法です。
この記事でいくつか紹介しているので、ぜひ自分が興味あるものから始めてみてください。
楽しみながらも、脳に汗をかいている感じが味わえると思います。
まず一つやってみて合わないなと思ったら、他のものに変えてしまってOKです。
クイズ・パズルの効果
すでに過去の多くの研究では、クイズ・パズルは論理的思考力を最も効果的に鍛える方法の1つであると示されております。
また、私が知ったきっかけは外資コンサル会社で働いていた大学の先輩からのアドバイスでした。
そして何より、実際に私の経験からお伝えすると、クイズ・パズルを始めて2~3ヶ月後くらいから効果を感じ始めました。
仕事で上司への報告時に、頭の中で言いたいことを整理できるようになったり、上司からも「説明がわかりやすくなった」とホメられるようになりました。(単純に私のレベルが低すぎただけかもしれませんが)
効果が実感できると仕事で達成感を味わえると思いますし、そうなると続けるのが苦にならなくなると思います。
それまで信じて続けてみてください。
始め方(頻度、時間帯、期間)
①頻度
では具体的なやり方について解説していきます。
理想の頻度は、毎日15分~30分を目安に継続することです。
毎日がムリな人は、2日に1回や週末だけなどでも構いません。
まずは始める事が大事です!
少ない頻度でスタート→徐々に頻度を上げる→毎日に習慣化→難易度上げる、といった流れで構いません。
また、一度毎日に習慣化しても、忙しくなったりで途切れる事もあると思います。
でもすぐに再開すればいいだけです。
私も意志が強いわけではないので、飲みすぎてしまった次の日や残業が続いた日などは、ついついサボってしまう時がありました。
そういう時はズルズルやらなくなるのではなく、切り替えて、1日~2日など少しでも短い期間の空きに抑えましょう。
ちなみに私の場合は、ケータイのカレンダー機能を活用して、ちゃんとやれた日は★マークを入れるようにしています。
これにより、一目で現在どれくらい継続できているのかがわかるようになったこと、そして次項の時間帯を固定したことで、サボる日がほぼなくなりました。
②時間帯・場所
やる時間帯については、完全に自分の生活リズムに合う時で構いません。
私は仕事内容や忙しさによって、朝・電車の移動中・お風呂の中・寝る前と色々変わってきました。
ぜひ色々試して自分に合う時間帯を見つけてみてください。
私は最終的に朝に行きつきました。
確実に時間が取れますし、何よりスッキリした頭で行えます。
そのまま頭が働いた状態で仕事にも入っていけるので、いろいろメリットがあります。
③期間
どのぐらい初級の内容をやればいいか、期間については自由です。
ある程度習慣化したのであれば、1ヶ月や3ヶ月、もしくは半年でもいいですし、実際に次の中級をやってみて判断してもいいと思います。
習慣化するというのは、やらないと気持ち悪いと感じる状態です。
私はいろいろ試行錯誤しながら、半年くらいで次の中級に変えていきました。
早いほうがいいかもしれませんが、それよりも大事なのは習慣化したかどうかなので、焦らず中級に移行していってください。
おすすめの本・アプリ
ここからは、私が実際に使った本・アプリの中から、ロジカルシンキングを鍛え始めるのにおすすめのものを紹介していきます。
同様の本はたくさんあり悩んだのですが、次の基準で選びました。
・問題の難易度(このレベルにちょうどいいか)
・気軽に取り組めるか(前提知識があまりいらないもの)
・問題の種類の豊富さ(飽きないか、楽しめるか)
・解説のわかりやすさ
そしてその中から、「易しい・ふつう・難しい」にレベル分けしております。
私は試行錯誤しながらだったので、こちらで紹介している各本の問題をかいつまんでやっていきましたが、早くステップアップしたい方は、易しい・ふつう・難しいの各レベルを1冊ずつやれば十分だと思います。
それぞれある程度解けたら、次のレベルや【ロジカルシンキング中級】にチャレンジしてみてください。
まずは「楽しみながら」頭を使う習慣を身に付けていきましょう!
①ポケット数独シリーズ 【易しい】
よく脳トレとして紹介されているナンプレ(数独)です。
数字を使うとはいえ計算などはないので取り組みやすく、頭を使い慣れていない人にもってこいのスタート本です。
ルールは、上図のような9列9段のマス目を3列3段のブロックに分け、列・段・ブロックのそれぞれに1から9までの数字を重複しないように入れていきます。
いくつかのマス目にはあらかじめ数字が入っています。
そしてこのポケット数独シリーズ(株式会社ニコリ著)は、タイトルの通りポケットサイズで持ち運びしやすく、初級・中級・上級と分かれて何十冊と出版されているので、自分のレベルに合わせてスタートできます。
1冊で約120問もあるので、全部は解かなくていいと思います。
②ナンプレ-古典的ロジックパズルゲーム[アプリ] 【易しい】
こちらのアプリは、ナンプレアプリの中でもダウンロード数トップクラスで、もちろん無料です。
間の広告が若干長くて気になるときがありますが、こちらも4種類のレベルに分かれているので、始めやすいと思います。
③虫食算と覆面算:難易度別200選 【易しい】
虫食算とは、下図のように、計算式の一部が空白になっており、空白以外の情報から推測して、計算式を完成させていくパズルです。
覆面算も似たようなもので、数字が別の記号に置き換えられた計算式を与えられ、どの記号が何の数字に対応しているかを推理していくものです。
ナンプレと違い、たし算・かけ算など四則演算は必要になりますが、この本はタイトル通り、初級・中級・上級とレベル分けされているので、ムリなく始められます。
虫食算・覆面算が100題ずつ入っています。
④ブレインパズルシリーズ:論理思考力養成パズル 【ふつう】
気軽に論理思考力を鍛えられるよう、ドミノ数字・文章問題・文字探し・トランプ問題など、様々な種類のパズルが集められています。
初級・中級・上級に分かれ、全部で46問。
【例題(中級)】
レスリーは先週の月曜日から土曜日までの間に、参考書を1日1冊ずつ買いました。
本のサイズは大小2種類で、図のように並べられています。
次の手がかりから、A~Fは何の本で、何曜日に買ったかを当ててください。
<手がかり1>類語辞典を買った2日後に買ったのは大型本(地図ではない)で、これは天気の本の左隣にある。
<手がかり2>水曜日に買った本は、地図を買った2日後に買った料理の本より大きい(水曜日に買った本と料理の本は隣同士ではない)
<手がかり3>樹木の本を買ったのは、ある小型本を買うより前で、この小型本は樹木の本を買うより前に買った昆虫の本の隣にある。
<手がかり4>大型本のうち1冊は土曜日に買ったものだ。
解説が不親切なところもありますが、四則演算ができれば十分に取り組める問題ばかりです。
また、それぞれに目標時間が設定されていますが、気にせずにわからない問題はとことん頭を使いましょう。
⑤頭がよくなる論理パズル 【ふつう】
パズルというよりも、論理クイズを中心に全部で85問収録されています。
いちおう各問題に難易度を明示する点数がついているのですが、あまりアテになりません。
ざっくり後半にいくほうが難しい問題が多い傾向にはあります。
こちらも四則演算以外の前提知識は不要で、解説が丁寧に書かれているのが助かります。
【例題(ふつうレベル)】
A~Eの5人のうち、2人は絶対にウソをつかない正直者です。
しかし他の3人はウソつきで、言っていることにウソが入っています。
A「Bはウソつきだ」
B「Cはウソつきだ」
C「Eはウソつきだ」
D「AとBはウソつきだ」
E「AとDは正直者だ」
では、正直者の2人をみつけてください。
⑥頭がよくなる論理パズル(パワーアップ編) 【ふつう~難しい】
上記⑤の続編です。
少しレベルアップして全部で100問収録されていますが、同様に前提知識はいりません。
【例題(ふつうレベル)】
さて、お気の毒ですが、あなたはもう死んでしまいました。
トボトボ暗い道をたどって行くと、天国と地獄の分かれ道がありました。
[ウソつき鬼]という立て札の前に鬼が立っています。
何を聞いてもウソを答えるらしいのです。
2つの道を見比べても、どちらが天国なのか地獄なのか見分けがつきません。
ともかく、あなたは右の道を指さして一言。
鬼がイエスかノーで答えられる質問をして、道を選んでくださいな。
⑦詰将棋:新5手7手詰めパラダイス 【ふつう~難しい】
プロになると100手以上先を読むと言われる将棋は、論理的思考力を高める絶好のゲームの一つです。
その中でも詰将棋とは、すでに駒が配置された局面から最短の手数で相手を詰ます(相手に勝つ)ことを目指す、将棋を使った一種のパズルゲームで、プロ棋士でも毎日詰将棋を解いているという人がいるくらい本格的なものです。
【詰将棋のルール】
・攻める方(自分)と守る方(仮想の相手)に分かれ、相手を詰ますことを目指す
・基本的な指し方は普通の将棋と同じ
・攻める方は最短(3手・5手など)で守る方を詰ませる手順を考える
・守る方は、最長手順になるように逃げる
・守る方は、盤上にない全ての駒を持ち駒として使える
私も子供のころ以来だったので駒の動かし方を忘れていましたが、最初はネットで調べながらやってすぐに慣れました。
ルールに慣れるとすぐに楽しくなりますよ。
この本は3手詰めが15問、5手詰めが84問、7手詰めが85問収録されています。
類書のなかで比較的難しめの部類に入るようですが、慣れるために3手詰めも収録されていますし、解説もわかりやすいと思いますので、トライしてみてください。
⑧みんなの詰将棋[アプリ] 【ふつう~難しい】
もし上記⑦が難しかったり、アプリが良ければこちらをおすすめします。
詰将棋アプリではおそらく一番人気で、もちろん無料です。
しかも1手詰~11手詰の問題まで用意されているので、幅広いレベルに対応してくれます。
⑨外資系企業がほしがる脳ミソ 【難しい】
マイクロソフトやベンチャーキャピタル、戦略コンサルティングファームなど、一流外資系企業の面接試験で実際に出題された問題が60問紹介されています。
これだけ聞くとビビりますが、必要とされる知識は小学生の算数程度で、中学・高校レベルの数学知識を求められる問題はごく一部です。
【例題】
目の前に12個のビー玉がある。このうち11個のビー玉は重さが同じだが、残り1個のビー玉は、ほんの少しだけ重さが異なっている(重いか軽いかはわからない)。あなたは天秤を持っており、この天秤を3回だけ使うことが許されている。天秤を3回だけ使えるという条件の下で、どのビー玉の重さが異なっており、それが他のビー玉より重いか軽いかを突き止めることはできるだろうか?できるとすれば、どのようにすればいいだろか?できないとすれば、それはなぜだろうか?
簡単には解けない問題がほとんどですが、ここまでいくつかの初級本をやってきた方であれば、十分対応できて楽しめると思います。
解説もわかりやすいので助かります。
なにより、一流外資系企業の採用問題が解けたというのは、自分の論理的思考力に少し自信を持てるようになるのではないでしょうか。
一部の問題は論理というより明らかに創造性重視(水平思考力)のものもありますが、そちらを鍛える意味でも使えますので、ぜひチャレンジしてみてください。
まとめ
いかがだったでしょうか。
論理的思考力を鍛える「初級」として、いくつか本・アプリを紹介させて頂きました。
この段階で必要なのは、自分の頭で考える習慣づけです。
何よりも継続することを大事にしてほしいと思います。
習慣化していない、まだなかなか頭でじっくり考えられないという方は、時間をかけてこの初級に取り組みましょう。
一方、習慣化していたり、問題が難しいと思わなければ、どんどん難しいレベルや次の中級に進んでいってください。
コメント